Mauticのキャンペーンの設定方法 (マーケティング・オートメーション・自動化)


こんにちは。Webloco代表兼Webマーケターのヤブです。

今回は、Mauticの主要機能であるキャンペーンについてご紹介します。

Mauticのキャンペーンとは

まず、本家公式サイトでは、以下の様に説明しております。

キャンペーンは、マーケティング活動を支援するために自動化されたワークフロー作成の中心となる部分です。キャンペーンは、コンタクトを取り込む様々な外部の接点で構成されています。これらのエンゲージメントは、所定の時間間隔で、または特定のコンタクトのアクションに応答して発生するように作成することができます。

ちょっと分かりにくいですね。もう少し分かりやすいと思われる文章を抜粋します。

ワークフローを事前に定義し、それらをコンタクトやタイムラインに自動的に応答させられることです。この自動化により、手動によるコンタクトアクティビティに必要な時間を最小限にし、一貫性のある接触を通じたコンタクト育成の信頼性を向上させます。

分かりましたでしょうか?これらの文章を私なりにかみ砕いて説明しますと以下の様な感じです。

WEBサイトにアクセス(コンタクト)してきた見込み客に対して、事前に作成したストーリー(ワークフロー)に従ってアクションを自動で実行してくれる機能。

それにより、見込み客を効率的に育てていき、売り上げに貢献する様な得意客にしていく。

ざっくり言うとこんな感じでしょうか・・

Mauticのキャンペーン機能を使う前に

ストーリー(ワークフロー)の考え方

さっそく、キャンペーン機能の紹介をしたいところですが、まず最初に大事な事は、キャンペーンに定義するストーリー(ワークフロー)を考えることです。

それがしっかり出来ていないと、せっかく便利な機能も「絵に描いた餅」になってしまいます。

ストーリーを作成するあたり、いろいろな設計や事前の調査が必要になります。

・お客様が誰で、その人はどんな事に困っている?(ペルソナ設定)
・そのお客様はどんな情報を求めている?どんな行動をとるか?(カスタマージャーニーマップ)
・それぞれに適したコンテンツは何か?(コンテンツマップ)

上記の事を踏まえた上で仮説を立ててワークフローを考えます。

ストーリー(ワークフロー)例

1.ユーザーの行動:ユーザーがお問合せフォームより送信
2.Mauticのアクション:ユーザーにポイントを付与
3-1.Mauticの条件:気になる商品欄に「○○」が含まれている
3-1-1.Mauticのアクション:ユーザーに「○○の商品案内」の自動返信メールを送信
3-2.Mauticの条件:気になる商品欄に「▽▽」が含まれている
3-2-1.Mauticのアクション:ユーザーに「▽▽の商品案内」の自動返信メールを送信
4.ユーザーの行動:メールを開く
5.Mauticのトリガー(決定);メールが開封されている
6.Mauticのアクション;ユーザーにポイントを付与
7.ユーザーの行動:Webサイトに再訪問
8.Mauticのトリガー(決定):特定のページに訪問
9.Mauticのアクション:1日時間を置いて、ユーザーに訪問したページに関連する内容のメールを送信
10.Mauticのトリガー(決定);メールが開封されている
11.Mauticのアクション;ユーザーにポイントを付与

だらだらとフローを書きましたが、上記のフローをキャンペーンを使って定義すれば、ユーザーのアクションに応じて、ステップメール、フォローメールを送れるだけでなく、ポイントを付与する事で、見込み客の重要度も可視化できます。

Mauticのキャンペーン作成方法

ストーリーが出来たところで、実際にキャンペーンの作成を行います。

①ダッシュボードメニューの「キャンペーン」をクリックして、「+新規」をクリックします。

mautic-campaign1

②「名前」に任意の名前を入力して、「公開」を「はい」にした後、「キャンペーンビルダーを起動」をクリックします。

mautic-campaign2

キャンペーンのフローを作成(ver1.9.Xの場合)

※こちらは、ver1.Xまでのフローです。ver.2.Xからはかなり変わりました。ver.2.Xは、「キャンペーンのフローを作成(ver.2.Xの場合)」をご覧ください。

フローの最初は、「コンタクトソース」から作成します。

コンタクトソースイベントの作成

コンタクトソースイベントは、キャンペーンフォームの値が送信された時や、コンタクトリストが任意のセグメントに追加された時に発火するイベントで、ワークフローの起点(最初)のイベントとなります。

①下記画像のコンタクトソースの中から任意のイベントを選びます。(以下の説明では、キャンペーンフォームを選んだ場合で説明しております。)

mautic-キャンペーンcontact1

②キャンペーンフォームを選択します。キャンペーンフォームは事前に作成しておきます。詳しくは「Mauticのフォーム作成」を参照

mautic-キャンペーンcontact2

下記の画像の様に、「コンタクトソース」のイベントが表示されます。そして、これを起点にいろんなアクションや決定(ディシジョン)、条件を付けくわえていきます。

mautic-キャンペーンcontact3

アクションイベント

アクションイベントは、「メールを送信」や「ポイントを付与」など、ワークフロー内で任意のイベントを実行させる事が出来ます。

アクションイベントの作成

①アクションの中から任意のイベントを選択します。下の画像は、「メール送信」を選択しています。

mautic-キャンペーンアクション1

②名前、アクションタイミング、送信するメールを選択して、「追加」をクリックします。「新規メール」の作成は「Mauticのメールの作成」をご確認ください。

mautic-キャンペーンアクション2

③起点イベントのノードとアクションイベントのノードをマウスで引っ張りつなげます。

mautic-キャンペーンaction3

決定(ディシジョン)イベント

決定イベントは、「コンタクトソース」や「アクションイベント」の後に追加するイベントで、「アクションイベント」の結果やユーザーの反応によって、別のアクションイベントを繋げることが出来ます。

決定(ディシジョン)イベントの作成

①右サイドバーにある決定の中から任意のイベントを選びます。

mautic-キャンペーンdecision1

決定イベントの作成例

下記のフローは、案内メールが開封されたら「30ポイントを付与」して、5日間開封されなかったら、「-30ポイントをする」フローです。

mautic-キャンペーンdecision2

条件イベント

条件イベントは、「コンタクト(リード)の住所が東京都」や、「入力フォームで件名が見積依頼を選択」という様に、指定の条件を満たす、満たさないで、別々のアクションを指定する事が出来ます。

条件イベントの作成

①条件の中から任意のイベントを選択。下記の画像は、「フォームフィールド値」を選択しています。

mautic-キャンペーン条件1

②名前、アクションのタイミング設定、フォームへの制限、条件を入力後、「追加」をクリックします。

mautic-キャンペーンCONDITION2

上記の4つのイベントを組み合わせて、自分が思い描くストーリー(ワークフロー)を作成します。

キャンペーンのフローを作成(ver.2.Xの場合)

フローの最初は、「コンタクトソース」から作成します。

コンタクトソースイベントの作成

コンタクトソースイベントは、キャンペーンフォームの値が送信された時や、コンタクトリストが任意のセグメントに追加された時に発火するイベントで、ワークフローの起点(最初)のイベントとなります。

①下記画像のコンタクトソースの中から任意のイベントを選びます。(以下の説明では、キャンペーンフォームを選んだ場合で説明しています。)

campaign2-1

②任意のキャンペーンフォームを選択して、「追加」をクリックします。キャンペーンフォームは事前に作成しておきます。詳しくは「Mauticのフォーム作成」を参照

mautic-キャンペーンcontact2

コンタクトソースの後に実行したいイベントの選択

起点の「コンタクトソース」を設定した後は、その後に、どんなイベントを行いたいかを下記の画面の中から「選択」します。この選択画面は、「コンタクトソース」を設定した後、自動的に表示されます。

campaign2-3

最初以外は、イベントの下のノードをクリックすると、選択画面が表示されます。

campaign2-6

アクションイベント

アクションイベントは、「メールを送信」や「ポイントを付与」など、ワークフロー内で任意のイベントを実行させる事が出来ます。

①選択画面の中から「アクション」を選択すると、下記の様な一覧が表示され、追加したい任意のイベントを選択します。下の画像は、「メール送信」を選択しています。

campaign2-5

 

②名前、アクションタイミング、送信するメールを選択して、「追加」をクリックします。「新規メール」の作成は「Mauticのメールの作成」をご確認ください。

mautic-キャンペーンアクション2

決定(ディシジョン)イベント

決定イベントは、「コンタクトソース」や「アクションイベント」の後に追加するイベントで、「アクションイベント」の結果やユーザーの反応によって、別のアクションイベントを繋げることが出来ます。

①選択画面の中から「決定」を選択すると、下記の様な一覧が表示され、追加したい任意のイベントを選択します。下の画像は、「メールを開封」を選択しています。※メール送信のアクションの後でないと表示されないイベントです。

 campaign2-7

決定イベントの作成例

下記のフローは、案内メールが開封されたら「30ポイントを付与」して、5日間開封されなかったら、「-30ポイントをする」フローです。

mautic-キャンペーンdecision2

条件イベント

条件イベントは、「コンタクト(リード)の住所が東京都」や、「入力フォームで件名が見積依頼を選択」という様に、指定の条件を満たす、満たさないで、別々のアクションを指定する事が出来ます。

条件イベントの作成

①選択画面の中から「条件」を選択すると、下記の様な一覧が表示され、追加したい任意のイベントを選択します。下の画像は、「フォームフィールド値」を選択しています。

campaign2-8

②名前、アクションのタイミング設定、フォームへの制限、条件を入力後、「追加」をクリックします。

mautic-キャンペーンCONDITION2

条件イベントの作成例

下記のフローは、お問い合わせフォームのあるフィールドの値が「新製品」だった場合、新製品の案内のメールを送信。それ以外の場合は、別の内容のメールを送信するフローです。

mautic-キャンペーンcondition3

上記の4つのイベントを組み合わせて、自分が思い描くストーリー(ワークフロー)を作成します。

作成したキャンペーンの保存

ワークフローの作成が終わったら、画面右上の「ビルダーを閉じる」をクリックします。

新規キャンペーンページの右上にある「適用」をクリックしたら作成完了です。

mautic-campaign3

CRON JOBの設定

上記のキャンペーンの作成だけではまだ完成ではありません。私の場合、キャンペーンを作成しただけでは、作成したワークフローが動いてくれませんでした。

公式サイトの「キャンペーンの管理」ページでは、下記の様な記載があります。

新たにキャンペーンに追加されたコンタクトへのアクション開始の実行、、スケジュールされたアクションと「アクション以外」の決定パスに対するアクションは、システムによってトリガされなければなりません。これを行うには、希望する間隔で次のコマンドを実行するcronジョブを作成します:

php /path/to/mautic/app/console mautic:campaigns:trigger --env=prod

この記事を参考に、CRON JOBを設定しました。

私の運用環境は「XSERVER」な為、XSERVERの管理画面でCRON設定を行いました。参考ページ「Mautic導入編 CRON JOB設定(XSERVER)

なお、CRON JOBには、以下のパスコードを設定しました。

/パス/に/ mautic /アプリ/コンソールmautic:キャンペーン:トリガー–env = PROD

※「/path/to/」は、各自環境により変わってきます。

この設定により、キャンペーンが無事動いてくれました。