Mauticのメール開封の仕組みと問題点について


Mauticで便利な機能の1つとして、メール機能があります。メール機能に関しては、「Mauticのメールの使用方法」をご確認ください。

その中でもとても重宝しているのが、メールが開封されたかどうか?とメール本文の中のリンクがクリックされたかどうか?が判断できる機能です。

メールマガジンやメールマーケティングを実施する側からしたら、メールが読まれたかどうかはとても重要な情報です。ただ、この情報も鵜呑みにはできない現状があります。

メールを開封(読まれたメール)の仕組み

Mauticは、どのようにして、メールが読まれたかどうか判断しているのでしょうか?公式サイトには、以下の様に記載されています。

メールはトラッキングピクセルによって追跡されています。これはMauticによって送信された電子メールメッセージのソースコード内の単なる1ピクセルのGIF画像です。OutlookやThunderbird、Gmailなどのメールクライアントによってメールが開かれると、クライアントはその中の画像をロードしようとします。画像ロード要求はMauticがメールの開封アクションを追跡するために使用するものです。

参考ソースは、公式サイト「マウティックのトラブルシューティング」を参照

分かる方にはわかるかもしれませんが、上記の仕組みで開封されたかどうか判別しているそうです。

メール開封(読まれたメール)の問題点

また、公式サイトでは以下の様に記載されています。

一部のメールクライアントは、画像の自動ローディングを無効にしており、その場合、ユーザーはメールメッセージ内の画像をロードするための「ロードイメージ」ボタンをクリックする必要があります。このような理由または別の理由で画像がロードされない場合は、Mauticは開封アクションを検知できません。したがって、メールのオープントラッキングは100%正確というわけではありません。

大事なのはメール開封の判断は100%正確では無いと言う事ではなく、どれくらい正確か?と言う事です。そもそも解析ツールで100%正確と言う事はあり得ませんから。

メール開封の判断が出来たメールクライアント

何個かのメールクライアントで「メール開封」判断のテストをした結果、YahooメールとGmailでメールを開いたとき、メールが読まれた事を検知しました。

ただ、Outlook2016でメールを開いても「メール開封」の検知はされませんでした。

いろいろ調べた所、Outlook2016では、デフォルトの設定で、画像ロードをしない設定になっていると思われます。

Outlook2016で、メール開封を検知する方法

Outlookで、受信したメールをダブルクリックすると、下記画像の様に、新しいウィンドウでメールが開きます。

そして、下記画像の様に、「①」⇒「②」と操作する事で、メール開封の検知がされました。

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とは言え、毎回この操作をするのは面倒くさい。と言う事で、メール受信の設定を変えると、メールを開いただけで検知されます。

Outlook2016のメール受信設定の変更

前回と同じようにメールを開いて、「①」⇒「②」とクリックします。

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「自動的にダウンロードしない」のチェックを外します。

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これで、受信したメールを見るだけで、「メール開封」の検知がされる様になりました。

メールクライアントの設定の影響を受ける「メール開封」検知

今回、Outlook2016でも検知される様に設定を変更しましたが、「ちょっと待てよ」と思われた方もいらっしゃると思います。何故なら、自分のメールクライアントで検知されてもあまり意味がないからです。

本当に必要なのは、ターゲットのメール受信環境になります。ただ、こちらではどうする事も出来ません。正直、セキュリティの事も考えると、Outlookの設定を、「自動ダウンロード可」にしている人がどれだけいるでしょうか?恐らくかなり少数派ではないでしょうか?

そう考えると、Outlookを使っているユーザーがどれだけいるかは分かりませんが、それなりのボリュームがいると思いますので、メール開封の正確性は大きく下がると思います。

キャンペーンの「メールを開封」の代替え案

メール開封の正確性が低いと一番困る事として、キャンペーン機能の決定要素「メールを開封」だと思います。キャンペーンについては、「キャンペーンの設定」を参照してください。

「メールを開封」とは、キャンペーンの中で送信したメールが開封されたかどうかを判断して、その後の処理を分岐するものです。

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この判断がかなり高い精度なら、とても有効なのですが、正直この判断を鵜呑みにはできないと思っています。

そこで私が考えたのは、「メール購読解除」のリンクを、メール本文の最後に配置する方法です。よくメルマガなどでも見かけますね。メール購読解除のリンクは、本文に{unsubscribe_text}のタグを挿入すると、メールに表示される様になります。メール購読解除設定はこちら

そして、「メールを開封」の条件結果が、開封されても、開封されなくても、ある一定期間たったら、次のステップメールを送信する事です。(開封された場合は、多少タイミングを変えてもいいですが。)

これにより、「購買解除」をクリックされない限り、ステップメールが送られ続ける形になります。この場合、本当に開封されていないユーザーにも送り続けてしまいますが、それは目をつぶりましょう。

もう一つ強引な手としては、メールアドレスのドメインがyahooやgmailだった場合と、その他の場合でキャンペーンを分けても良いかもしれません。

Mauticメールの総括

Mauticも含め、MAツールは、メールマーケティングがメインだと思うので、この機能を上手く使いこなすかどうかで、成果も大きく変わってくると思います。是非、Mauticの仕組みを理解し、最適な運用を心がけてください。