「データドリブンマーケティング・その8」アジャイルマーケティング


最初の記事「データ・ドリブン・マーケティング・その1(成果をトラッキングする事の大切さ)」はこちら。

第8章「アジャイルマーケティング」

第8章では、「アジャイルマーケティング」の概要について説明しています。

アジャイルと聞くと、ソフトウェアやシステムを、短い期間単位に分割して、それを何度も繰り返しながら開発するアジャイルソフトウェア開発を思い起こすかと思います。

アジャイルマーケティングは、この考え方を取り入れたマーケティングとなり、失敗のリスクを最小限に抑え、効果を最大にする施策だと感じました。

 

失敗するなら早く失敗しろ

こんなキャッチーな見出しから始まりますが、アジャイルマーケティングの考え方は、何度も効果測定をして、何度も軌道修正をする事を前提としています。

それにより、早い段階でマーケティングキャンペーンの問題に気づいたら、軌道修正をしたり、それでも結果が出そうになければ、中止すると言う意思決定が可能になり、リスクを最小限に抑える事が可能になります。

本書では、「キャンペーン実施期間中に少なくとも10回以上のデータ収集をする」とあり、期間が10週のキャンペーンの場合は、1週間に1回単位で効果測定をして、それを基に、軌道修正を行うと言う事になります。

そういう意味では、ある程度中長期のマーケティングキャンペーンを行う場合に適している(効果のある)考え方だと思います。(短期でもできなくはないですが)

 

アジャイルマーケティングの誤解

アジャイルマーケティングを「経験と直感に頼って即断即決をし、即座にキャンペーンに変更を加えていくやり方」と解釈している人がいるが、著者はそれは誤解だと言っています。

著者が定義するアジャイルマーケティングは下記の通りです。

計画的にしっかりと構築されたアプローチがあり、どのデータをどのように収集するかも、収集したデータに基づきどのようにアクションをとるかも、事前に計画することが必要である

 

アジャイルマーケティングのキャンペーン設計

アジャイルマーケティングの考え方を取り入れたマーケティング活動は、軌道修正できる様に設計する必要があります。

キャンペーンの開始前に、成功・失敗の基準を設定し、収集したデータをどう使い、そのデータで何をするかを考える事が重要です。

著者は、アジャイルマーケティングの設計時、キャンペーンを開始する前に、以下の質問をする事を推奨しています。

想定される成果は?

キャンペーン終了判断する基準は?

キャンペーンが大きく成功している場合 どこにリソースを再配分するか?

 

第8章「アジャイルマーケティング」のまとめ

冒頭でも説明しましたが、アジャイルマーケティングの考え方は、リスクを最小限にして、成果を最大にする事を目的にしていると思います。

その為のアプローチとして、短い単位で効果測定をして、軌道修正できるように準備しておくと。

この考え方は、比較的大きな予算を消費して、長い期間マーケティング・キャンペーンをやる場合にもっとも効果が出る考え方だと思います。

また、ある程度長期間のキャンペーンに向いているとお話ししましたが、期間が短くても、予算規模の大きなキャンペーンなら、どれでも当てはまると思います。

極端な話、5日のキャンペーンでも予算が大きければ、アジャイルマーケティングの考え方を適応して、10時間単位で、効果測定して、そのデータを基に軌道修正するやり方もありだと思います。

逆に、最初から、低予算で、短期間(1週間)のトライアルの場合は、この考え方は採用する必要はないでしょう。

 

以上「「データドリブンマーケティング・その8」アジャイルマーケティングのご紹介でした。