もし中日ドラゴンズのオーナーから観客動員数増加の為のコンサルを頼まれたらvol1


こんにちは。 愛知県出身で、たまたま 地元の球団が中日ドラゴンズであったことから、 なんとなく応援している冷めた中日ドラゴンズファンです。(笑)

ちなみに私の父親は、熱狂的ではないですが 、 2017年のシーズンも B クラスが確定した後も、毎日テレビで試合を観戦している、ちゃんとした中日ドラゴンズファンです。

今回は 以前大ブームになったマネジメントの本である「もしドラ」チックに、 勝手に私の妄想を 綴りたいと思います。

 

「観客動員数増加」の記事を書く事になった背景

まず、今回このテーマで記事を書こうと思った背景は、現在地元の球団である中日ドラゴンズの成績が低迷しているだけじゃなく、観客動員数も減少傾向にあるという事を、新聞で見たからです。

仕事柄、Webマーケティンや企業のブランディングなどを行っている経緯もあり、「こんな時、もしコンサルの依頼をされたら、自分ならどうするだろうか?」という事を考えたのがきっかけです。

さっそく、私なりに、オーナー(関係者)から相談された前提で、考えていきたいと思います。

 

目的のヒアリング

まず中日のオーナーから「観客動員数を増加させて欲しい」と頼まれたら まずこう聞きます。

本当に 観客動員数の増加が ゴールですか?

なぜこんな当たり前ことを聞いたかと言うと 往々にして 目的と手段がごっちゃになることが多いからです。

もし観客動員数の増加をゴールとした場合 それは比較的容易です。なぜなら来シーズンから 入場料をタダにすればいいだけの話です。タダと言わないまでも、大幅に割り引くなどの事をすれば、観客動員数は増えるでしょう。

こんな提案をしたら、中日のオーナーは「おいおいそんなバカなと」、「相談した相手を間違えたかと」憤るかもしれません。

もちろんそんな提案は本気でしませんが、「それをする理由が他にあるか」ということは確認しなければなりません。

 

目的の本当の真意を探る

ビジネスの世界では、多くの場合は、売上アップや収益アップと言う こと が 最終目的になるでしょう。

ただ、この場合、「球団の売上や収益をアップするためにはどうしたらいいか」という相談になると思います。それが、 「観客動員数を増加したい」と相談されると それをしたい理由が他にあるのかなと思ってしまいます。

ここで、 相談内容の真意 、いわゆる本当の目的を確認しておかないと、 うわべの目的を達成したとしても クライアントに本当に喜んでもらえないからです。

今回の相談では わかりやすいように 本当の目的は売上収益の アップだとします。

 

「売上、収益の最大化」という目的の再定義

目的を「 観客動員数の増加」から「球団の売上、収益の最大化」という、1つ上の階層にした事で、視野が開け、より多くの可能性が見えてきます。

最初の目的であった、「 観客動員数の増加」は「 売上や収益アップの 一つ手段でしかない」と言うことになります。

要するに、売上アップのためには「観客動員数増加」以外にも、たくさんの手段があり 必ずしも観客動員数の増加が一番最適な手段とは限らないということです。

 

目的達成の為の手段を洗い出す

入場料の値上げ

例えば、売上や収益を上げたければ、「ナゴヤドームの 入場料を倍にする」という手段も考えられます。

もちろん、これをすると、観客動員数が減ることは目に見えていますが、入場料を倍にしても、減る量が4割減だった場合、売上若しくは、収益はアップしてるはずです。

 

ホーム試合の増加

また観客動員数を増やす方法として、 ホームの試合数を上げるという方法があるはずです。それは、チームが強くなり優勝してプレーオフや 日本シリーズに 出場することです。

これにより、ホームの試合が増える為、その分、観客動員数を増やせるでしょう。とは言えこれはマーケティングの 範囲ではないため、監督、コーチ、選手たちに頑張ってもらいましょう。

ただ、チームが優勝してしまうと、年俸が高騰してしまう為、そこは考慮しなければなりません。

 

それ以外の収入源のテコ入れ

後、球団の収入源と言ったら、グッズの売り上げや、 スポンサー収入、放映権収入、広告収入、試合以外でのイベント収入などがあると思います。

これらをテコ入れする事で、売上や収益の改善は見込めると思います。

 

全てのキーとなる数字は?

いくつか、売上を上げる為の手段を洗い出しましたが、これらの収益を上げるための全てに深く関わっている「もの」があります。それは。

「ファンの数」です。

かなり遠回りしましたが 結局のところ、「ファンの数を増やす」ということが、球団の売上、収益を増加するための キーとなります。

 

ファンの定義

ここで、ファンとはいったいどういう人たちの事を示すのか?を定義しておかなければなりません。

私の様に、チームの調子が良い時だけTVで応援したり、たまに球場に足を運ぶ人もファンに入るのか?私の父親の様に、球場にはほとんど足を運ばないが、毎月数千円はらって「スカパー」と契約して、ほぼ全試合見ている層をファンに含めるのか?

はたまた、ファンクラブの会員をファンと定義するのか。そして、ファンクラブの会員ではないけど、結構頻繁に球場に足を運んでくれる人たちをファンと定義するのか。

 

なぜファンを定義する必要があるのか?

球団からしたら「ファン=顧客」という形になります。その為、「ファン」を定義しないと、具体的な施策が打ちづらくなります。

そして、「ファン」の定義がされていないと、効果測定もやりにくくなります。

「ファン」の数が1000人から1500人になりましたと言われても、定義が明確でないと、「これってどうやって調査したの?」ってなりますから。

 

ファンの定義を広げ過ぎるのは私ならやめる

ここで「ファンの定義」を、私の様なうっす~いファンから、「年間チケット買ってますぜ」って言う熱狂的なファンまで、一括りにファンと定義するのは、やめた方が良いでしょう。

広げ過ぎると、定義をしていないのとさほど変わらなくなるからです。

少しでもドラゴンズの事を応援してくれる人も含めて「ファン」と呼びたいところですが、もしそうするとしたら、「ファン」にも名前を付けて、セグメント(分類)分けをした方が良いでしょう。

 

ファンをセグメント(分類)化する

ファンをセグメント化する場合、どういった切り口で分けるかが大事ですが、一番分かりやすいのが、「球団の収益になるか?売上に貢献するか?」という切り口です。

上位顧客(熱狂的ファン)

「年間チケット」を買っている人は、間違いなく球団の売上に貢献しているファンでしょう。応援団に入っている人も、定期的にお金を落としてくれるでしょう。

また、企業や団体などまとめてチケットを購入してくれる層も上位顧客となるでしょう。

中位顧客(良いファン)

有料のファンクラブに会員している人。年に数回は球場に足を運んでいるファンは、多少売上に貢献しているでしょう。

 下位顧客(普通以下ファン)

私の父親の様に、家で観戦する人は、どれだけ球団にお金を落としているかは分かりませんが、そこまで球団の売上には貢献していない様に思います。そういう意味では、私もこの層に入るかもしれません。

見込み客(見込みファン)

現在ファンではないが、将来的にファンになるかもしれいない層。

例えば、中日ドラゴンズファンを親に持つ子供たち(特に男子)。愛知県、東海地方に住む家族。など、将来ファンになる可能性はあります。

今回は、既存ファンをざっくり3つに分け、また、将来ファンになる可能性のある見込みファンというセグメントを作りました。もっと他の切り口もありますが、今回は半分お遊びなので、このセグメントで行きたいと思います。

 

どのファン層にフォーカスするか?

予算や時間が無限にあれば、全てのファン層に対して実施すればよいのですが、そんな訳はないので、ここで考えなければ行けないのは、やはり費用対効果です。

売上を上げる為の手段やアプローチは沢山ありますが、どのファン層に対して、どんなアプローチをとれば、効果が高いのか?という事です。

例えば、熱狂的ファンにもっとお金を落としてもらう方法。それぞれのファン層を育成して、1つ上のファン層に育て上げる。(良いファンを熱狂的ファンにするなど)

いろんな施策を洗い出し、優先順位を付けて、上位1つや2つに資源を集中するという形です。

 

具体的なプラン作成をする前に決めなければいけない事

目的やターゲット以外にも、まだまだ決めなければいけない事はあります。

具体的な評価指標・成功の定義

例えば、具体的な目標値やそれを測定する為の指標。到達するまでの期間(投資回収期間)。投資収益率(ROI)

これを決めないと、プロジェクトの終了時点で、「成功か失敗」かの評価が出来ません。

KGI(重要目標達成指標)とそれに関連するKPI(重要業績評価指標)の設定になります。

効果測定の期間と判断の設定

最初にどれだけ準備するかが、プロジェクトの成功、失敗を大きく左右しますが、その中には、上手く行っていない場合、「どう軌道修正するか?」という事も事前に準備しておく必要があります。

その為には、効果測定をする期間を(「2週間」、「1カ月」)定義して、その値が〇〇の範囲なら続行。△△の範囲なら、▲▲に修正。◇◇以下なら、プロジェクトを中止すると言った事も考える必要があります。

大金が動くような大きなプロジェクトでは、その場その場での臨機応変な対応も必要かもしれませんが、事前に設定しておく事が大切です。

 

「観客動員数増加vol1」のまとめ

今回は、「もし私が観客動員数の増加のコンサルを相談された場合」という前提で、ざっくりとした概要をご紹介しました。

概要の紹介だけでも、大分長くなりましたので、具体的な話やプランの紹介などは、また次の記事でご紹介したいと思います。

もし中日ドラゴンズのオーナーからコンサルを頼まれたらvol2はこちら

 

以上「もし中日ドラゴンズのオーナーから観客動員数増加の為のコンサルを頼まれたらvol1」をご紹介しました。