もし中日ドラゴンズのオーナーから観客動員数増加の為のコンサルを頼まれたらvol4


前回に引き続き、「もし中日ドラゴンズのオーナーから観客動員数増加の為のコンサルを頼まれたら」という前提、私なりのマーケティング、ブランディングの考えを綴りたいと思います。

過去のログは、下記をご覧ください。

第一弾「もし中日ドラゴンズのオーナーから観客動員数増加の為のコンサルを頼まれたらvol1

第二弾「もし中日ドラゴンズのオーナーから観客動員数増加の為のコンサルを頼まれたらvol2

第三弾「もし中日ドラゴンズのオーナーから観客動員数増加の為のコンサルを頼まれたらvol3

 

プロジェクトのコンセプトを決める

ある程度方向性が決まったり、プロジェクトのコンセプトを決めます。

例えば、コンセプトを

「ファンに中日ドラゴンズを主観的に所有してもらう」

とします。

ファンクラブの新しい特典を引っ提げ、ファンクラブのメンバーになった人に、「中日ドラゴンズを主観的に所有してもらう」というプロジェクトのコンセプトを立ち上げ、それを目指してプランを立てていきます。

ここからが、本当のプロモーションのステージになってきます。

 

ファンクラブのメンバーを増やすためのプランを考える

ファンクラブのメンバーの特典を認知してもらう

ファンクラブのメンバーになってもらう為には、メンバーになる為のメリットを理解してもらう必要があり、その為には、認知が必要です。

「あなたも中日ドラゴンズの所有者になろう」と行ったキャッチコピーで、ファンクラブに入会するページへ誘導するのも良いでしょう。

その為、多くの告知手段を用意する必要があります。

 

TVCMによるプロモーション

一番多くの人に認知してもらえるのはTVCMですが、やはりかなりの高コストになるでしょう。予算にも限りがあるので、効果的にプロモーションを行う必要があります。

その為、エリアを絞って、中日戦の試合かつ、東海エリアの人にのみCMを放送する事で、コストは抑えられるかもしれません。

 

球場に訪れた人に対する告知

ナゴヤドームには、電光掲示板の上あたりに、大きな映像モニターがあります。ここで、TVCMと同じ内容の動画を流して、認知を促すと効率的かもしれません。

動画だけでなく、至る所でポスターを設けたり、ファンクラブ入会のブースを作るなど、目に留まりやすく、入りやすくする対応も必要です。

 

ファンクラブサイトの改修

ファンクラブの入会特典が変更になる事で、Webサイトの改修も必然的に起こると思います。

変更された内容を修正するのはもちろんの事、ファンクラブのサイトにログインする事で、中日ドラゴンズを所有している体験を得られるような工夫を凝らすとよいかもしれません。

 

中日新聞・中日スポーツを購読している読者

特に中日スポーツを購読している人は、かなり中日ドラゴンズに興味があるユーザーなので、そこに広告を掲載するのも良いでしょう。

また、中日スポーツを購読していて、ファンクラブに入っていいないユーザーに対して、DMを送ってみるのも良いでしょう。

 

ファンクラブのメンバーがチケットを購入する頻度を高める

ファンの購買動向から最適なアプローチをする

ファンクラブのメンバーになってもらえると、球団側からファンへ個別に告知する事ができます。

また、ファンがどの程度の頻度でチケットを買っているか?過去にチケットを買ってから、どれくらい間が空いているかを分析する事が出来ます。

その情報を元に、効果的な案内を送る事が可能かもしれません。

 

イベント記念・サプライズチケット

ファンクラブの情報に生年月日やお子さんの情報などを登録する欄があった場合、その情報を元に、登録者本人、もしくはお子さんの誕生日を球場で祝いませんか?的なメールやDMを送ってみるのも良いでしょう。

また、誕生日チケットを持ってきた場合に、景品を差し上げたり、選手と握手出来る事を特典にしてもよいかもしれません。

 

観戦した試合が負けた場合に選手からメッセージが送られる

チケットを購入して、球場まで足を運んでくれたファンに対して、パーソナライズされたメッセージが送られる。

何千人、何万人にも及ぶため、本当の意味で、個別に内容を変えるのは難しいが、内容を何パターンか作って、ある程度、その人に合ったメッセージを送る。

また、ほんの一握りのファンには、選手から、直筆、もしくはそれをコピーした手紙が届くのもありだと思います。

そうすれば、「前回の試合は負けたけど、また行ってみようかな」と思う人が出てくるかも知れません。

 

好きなの選手の登板日の案内メール

好きな選手を登録する欄があり、その選手が登板する試合を案内するメールなどを送る。また、何らかの事情で、その選手が登板出来ない場合などは、返金やキャンセルも対応してもらえる。

 

好きな選手、注目選手が1軍登録された時の案内メール

活躍する前から目を付けていた注目選手などが、2軍から1軍にあがって、1軍の試合で見られるかもしれない時などに、それを知らせるメールを送る

 

オファー応諾率(オファーに対する反応率)の向上

オファー応諾率(オファー応諾数÷オファー数)は、マーケティング活動の運用効率を図る為の指標で、これを向上させる事で、運用コストを下げる事が出来ます。

DMなどを送付するファン層の選定

通常のEメールと違って、DMは、印刷コストや郵送コストが掛かる為、オファー応諾率は、かなり重要な指標になります。

まずは、DMを受け取ったファンが反応した場合を、しっかりトラッキング出来る仕組みを設計した上で、効果測定をする必要があります。

それにより、DMを送付るファン層を調整していく必要があります。

 

Eメールによるオファー応諾率の改善

Eメールは、比較的低コストでアプローチ出来る為、DMとは逆に、頻繁にメールを送りつけてしまうケースがあります。

それにファンがうんざりしてしまい、球団に対して、信頼や不快感を抱く事は避けなければなりません。その為、オファー応諾率が低いEメールなどは、内容を見直すか、中止するという判断をする必要もあります。

 

実際にプランを実行する

プランが作成できたらいよいよ実行に移す形になりますが、かなり大きなプロジェクトになるので、小さくトライアルしながら、少しずつ大きくしていく形になると思います。

例えば、プロモーション動画を作ったら、いきなりTVCMで流すのではなく、Youtubeなどにアップして、そこで反応を見て、動画を修正しつつ、反応率を高めてから、TVCMで流すという形です。

さらに細かい指標で評価(チェック)する

ファンクラブの会員数を増やすために行うプロモーションに対して、さらに細かい評価指標を設定して、短いスパンでチェックします。

特に、そのプロモーションとファンとの接点からゴールまでのプロセスやリードタイムが長い場合、途中の状態を評価する為の指標を設定しておくことで、軌道修正や問題点が用意に測定出来る様になります。

「良いファン」や「普通以下ファン」のペルソナの設定

プロモーション動画や広告を作成するには、しっかりとしたターゲット像をイメージする必要があります。

その為には、「良いファン」をもう少し詳細に設定して、なんなら親しみを込めて「ドラ男さん」と名前まで付けても良いかもしれません。

そうする事で、「”ドラ男さん”に響くキャッチコピーって何だろう?」「動画に誰を起用したら”ドラ男さん”が興味を抱くだろうか?」という事がイメージし易くなります。

ペルソナのカスタマージャーニーを作成

「ドラ男さん」は、広告でファンクラブの事を知ったら、その後、「どういう行動を取るだろうか?」「どういうプロセスを経て、ファンクラブの申込まで実施するだろうか」と言った事を、プロジェクトメンバーとブレーンストーミングする事で、全容がイメージし易くなります。

 

もしコンサルを頼まれたらvol4のまとめ

4回に分けて、「もし観客動員数増加の為のコンサルを頼まれたら」という仮想のテーマをもとに、私の妄想を紹介いたしました。

実際にこのプランが実行されることは無いため、もし実現できたら、どれだけ効果が出るだろうか?というのはちょっと興味ありますが、何億という金額が動くプロジェクトは経験が無いため、可能性は0に等しいですが、本当に依頼されたら怖いですね。

これらの妄想が、少なからず誰かのお役に立てたら光栄です。そして、最後までお付き合いくださった方、ありがとうございました。

 

以上「もし中日ドラゴンズのオーナーから観客動員数増加の為のコンサルを頼まれたらvol4」のご紹介でした。