「売上高」「客数」の伸び率、2年連続の日本一を達成したスーパー「サミット」の秘密


今回は、毎週ほぼ欠かさず見ているビジネス番組「カンブリア宮殿」で5月23日に紹介された、とあるスーパーの内容を簡単に記事にしてみました。

参考ソースはこちら「楽しくなければスーパーじゃない!買い物でワクワクさせる…リアル店舗の逆襲

 

今回この放送を取り上げてた理由

デジタル・Webマーケティングをメインに取り上げている当ブログが、今回の記事を取り上げた理由は2つあります。

1つ目が、「格安」「激安」を売りにして成長を続けているスーパーでは無いという事。

2つ目が、私の住んでいる地元に、昔は活気があったのに、今は元気のないスーパーがあり、これを見ていると少し思う所があった為。(完全に私事ですがw)

もちろん1つ目の理由が一番大きいです。

私自身も、値段を下げて売り上げを上げるという戦略は、あまり好きではない為、こういった話題は、いつもアンテナを張り巡らせています。

 

今回紹介されていた会社の概要

会社名:サミット

業種・業界:小売り(スーパーマーケット)

商圏・規模:首都圏で115店舗を展開

売上高:2,567億5,400万円(2017年3月末現在)

 

番組内で紹介されていた「サミット」の「わくわく戦略」

何故「サミット」がここまで好調なのか?その秘密が番組の冒頭で語られていました。

その秘密は「わくわく戦略」と言うものです。それを簡単にご紹介します。

わくわく戦略 その1:熱々の 出来立て惣菜

  • 一般的なスーパーは入ってすぐに成果コーナーを設けるのが定番の所、サミットでは 惣菜コーナーを設けている
  • 惣菜コーナーには手の込んだ惣菜が 300種類以上と圧倒的な品数の惣菜が並んでいる
  • 惣菜を作る調理場は客から丸見えになっていて、清潔感があり、現場を包み隠さず見せてくれるから安心感がある
  • スーパーでの惣菜はセントラルキッチンが主流だが サミットでは 8割以上が店内調理
  • サミットでは店内で販売されている比較的良い食材を使って惣菜を作っている

 

わくわく戦略その2:スーパーだけど専門店に負けない売り場

  • 鮮魚売り場では、切り身だけじゃなく魚が丸ごと売られている
  • 定番の魚だけじゃなく珍しい魚がいっぱいある
  • 腕利きバイヤーが全国を飛び回って新鮮な商品 を仕入れている
  • わた抜き、三枚おろしなどの面倒な下処理は無料で行ってくれる

 

わくわく戦略その3:客目線( 買う人の気持ちに沿った)の品揃え

  • キャベツのの場合、まるまる一個や半分のサイズだけじゃなく、1/4カットやざく切り、新鮮な千切りまで用意してる。
  • 豚の細切れなら300グラム、200グラム、100グラムと細かく揃っている
  • 鶏肉をトレーに載せずに、袋でパッキンして販売している。(これは冷蔵庫に入れるときに場所を取らないようにするための売り方)

 

その他、「サミット」ならではのコーナーの設置

「サミット」には、店舗の中央に「お試しコーナー」を設けており、新商品や気になる調味料など 5、6種類の商品が週替わりで カウンターに並び、客が自由に試食できる。

また味見してみたい気になる商品のリクエストをする事も可能。

 

「サミット」の社長さんのコメントで気になった所

「我々は家事代行サービス」

スーパーだから、商品を販売している小売り業ととらえがちですが、「家事代行サービス」というとらえ方をしているところが印象に残りました。

この事より、「サミット」が「惣菜」に力を入れている理由の裏付けになります。

 

「人口の減少で胃袋の数が減る」「胃袋の体積が減るという事」

この事をしっかりとらえているから、商品を使い易い様に、小分けにして販売している事が伺えます。

 

「どういうスーパーが生き残っていけるか?」という問いに対して

「細く声を拾いながらお客様に応えて行くことができるスーパー」

こういうことをしていれば、最終的に

「サミットは気持ちが分かってくれるスーパーという記憶が残る」

逆に「そういう事をしないスーパー、出来ないスーパーは生き残れない」

 

「コミュニティがこれからの時代に求められる価値だと思う」

店内の休憩スペース(イートインスペース)を拡張したり、キッズスペースを設置した事により、店内で地域住民のコミュニティの場、憩いの場が出来た事を受けて。

 

カンブリア宮殿の放送を見て感じた事

私はいつも、こういう番組を見るとき、「私が近所の活気がないスーパーの店長(経営者)だったら」とか「近所のスーパーの立て直しを任されたコンサルタントだったら」という視点で見ています。

多くの場合、成功している会社の真似をそのまましても、上手くいかないケースがほとんどだと思います。もちろん上手く行くケースもありますが。

それは、その店の抱えている問題とそれを解決する手段がたまたま合致しており、効果があったからにほかなりません。

結局は、現状分析(自社の事を見つめ直す)をして、何が問題かを把握する必要があります。

まずは3C分析が基本

私の中では、現在も3C分析が基本だと考えています。3Cとは、自社、顧客、競合の事です。

その為、自社の分析が終わったら、競合の分析や顧客の分析も行います。

例えば、「サミット」の様に、周りに単身世帯が多い商圏なら、商品を小分けにする売り方は効果があったかもしれませんが、そうでない商圏なら、あまり意味はないかもしれません。

また、周りがそういう商圏であっても、近くの競合が、既にその様な事をしていれば、あまり差別化にはならないでしょう。(とはいえ、他で差別化出来るのであれば、マイナスの部分を埋めるために、やるという判断もありだと思います。)

差別化を考える前に忘れてはいけな事

レッドオーシャン(競合ひしめく市場)において、生き抜く為には、差別化は必須だと思います。(私自身はあまり競合したくない為、新たな市場の開拓や進出、ブルーオーシャン戦略も1つの選択肢だと思っていますが。)

だから、あまり上手く行っていない会社、商品、サービスに対して、「まずは、差別化しましょう」となりがちですが、忘れてはいけないのは、現時点でお客様の「期待価値」を満たしているかどうかです。

期待価値とは?

ここで言う「期待価値」とは、お客様が一般的にその商品やサービスに期待している事です。

例「ス―バーはコンビニよりも価格が安く○○ならこれくらいの値段で買えるだろう。」「スーパーに行けば、○○種類くらいの品ぞろえはある。○○の商品は置いてあるだろう」「スーパーならイートインスペースはあるだろう」「スーパーなら○時から○時の間はオープンしているだろう」

実際にこの期待価値すら上回っていない項目が1以上ある場合、よっぽどの差別化、強みが無い限り、その差別化や強みは打ち消され、あまり効果が出ません。

その為、差別化云々の前に、「自分のスーパーは、一般的な消費者の期待価値を満たしているのだろうか?」という所から考えた方が良いかもしれませ。

ちなみに、私の近所のスーパーは、品ぞろえの部分で、この期待価値を下回っていました。さらに、値段や他の部分で、特に大きなアドバンテージがあるわけでもありません。(そりゃお客も少ないですね)

 

以上「「売上高」「客数」の伸び率、2年連続の日本一を達成したスーパー「サミット」の秘密」をご紹介しました。