「おとうふ工房いしかわ」30年間売上げ右肩上りのお豆腐屋さんの軌跡


今回も、毎週ほぼ欠かさず見ているビジネス番組「カンブリア宮殿」で5月9日に紹介された、とあるお豆腐屋さん内容を簡単に記事にしてみました。

参考ソースはこちら「子供に食べさせたい!豆腐のオンリーワンカンパニー

今回は、「おとうふ工房いしかわ」が、「主婦が絶賛する豆腐屋さんになるまでの軌跡」を簡単にご紹介します。

 

今回紹介されていた会社の概要

会社名:おとうふ工房いしかわ

業種・業界:食品加工業(お豆腐屋さん)、小売業

事業内容:豆腐をはじめとする大豆加工品のパン、ドーナツ、スイーツの製造販売、飲食店経営

売上高:51億2700万円(平成30年4月実績)

 

「おとうふ工房いしかわ」が今に至るまでの軌跡1

27歳で、実家の豆腐店を継ぐ

現社長の「石川 伸」氏は、1991年食品メーカーを退職し、実家の豆腐店を継ぐ事になり、27歳で社長になった時に立てた目標が「日本一売れる豆腐屋になる」

5000万円で大量生産設備を導入

豆腐をたくさん作って売る為に、両親から5000万円を借りて、大量生産設備を導入。

その豆腐を地元のスーパーに売り込みに行ったが、時代はバブル崩壊後で 一丁100円の豆腐は置いてもらえなかった。

地元の自然食品販売店に営業して挫折

1993年に地元の自然食品を販売しているお店に営業に行く。そこでは一丁200円の豆腐が売れていた。

そこで、自分の豆腐も置いて欲しいと交渉し味見をしてもらったが、「豆腐作りが分かっていない」等、厳しい言葉をかけられた。

この時の豆腐は、輸入品の大豆を使っており、にがりなども使わず作っていた。

国産の大豆やにがりを使った豆腐作りに挑戦

その言葉を転機に 自ら国産大豆とにがりを使った豆腐をの製作を始めた。

いままでにがりを使った豆腐作りをしていなかった。その為、作り方は分からず、当然、現代の様にインターネットなどもなく、周りに聞ける人もいなかった為、自分1人で試行錯誤をしていた。

1年かけてやっと自分が満足できる美味しい豆腐が完成した。

以前営業に行ったお店に再訪問

以前営業に行った自然食品のお店に、再度置いてもらえないか交渉したところ、 晴れておいてもらえることとなった。

その後地元のスーパーや生協など、 販路を拡大していくことなっとなった。

 

「おとうふ工房いしかわ」が今に至るまでの軌跡2

子供のための豆腐作りに挑戦

定期的に、地元の小学校などを回って豆腐教室を行っていた。

豆腐教室に参加していた母親から「うちの子は豆腐の匂いが嫌いで食べてくれない」という意見が出て、そこから新たな 豆腐作りに挑戦。

1年後に嫌な臭いを抑えた美味しい豆腐が完成

自らいろんな文献を調べたりして、オリゴ糖が嫌な臭いを抑えてくれるという事を突き止め、お豆腐の風味は活かしつつ、子どもが嫌がる臭いを抑えた美味しい豆腐が完成。

最初は工場の直売所で販売したが、口コミで話題になり一番の売れ筋商品になった。

 

上記の軌跡から分かる事

簡単ではありますが、「おとうふ工房いしかわ」が「主婦(女性)に支持されるお豆腐屋さん」になるまでの軌跡を紹介しました。

これらの軌跡で気になるポイントとしては、「商品が良ければ口コミなどで支持される」「お客様の声を聞いた商品開発」「自分の納得行くまで試行錯誤を繰り返す」だと私は感じました。

これだけ見ると、特に変わった事をやっていないと思いますが、実際、この正攻法こそが、着実に会社の売上を伸ばしていく方法だと思います。まさに「急がば回れ」ですね。

欲のある経営者は、出来るだけ最短ルートで成功したい。もしくは、毎年「5年で売上○億を目指す」の様な急成長を考える人もいますが、結局は地道にコツコツが、会社も顧客も従業員も幸せになれるのではと思います。

 

地元を大事にする事の恩恵

今回の放送で気になった事が他にもあります。

「おとうふ工房いしかわ」は、かなり地元を大切にしているという事です。

これは、現社長が小さいころから「おじいちゃんおばあちゃんから地元は大事にしなさい」と言われ続けている事が根本にあるようです。

地元に貢献している事1

毎月第1土曜日に、会社の本社の駐車場で「青空朝市」を開催。

普段「200円」以上で売っている商品(豆腐)を、「100円」程度で販売している。

地元に貢献している事2

定期的に、お豆腐教室を開催。

地元の人たちに美味しい豆腐の作り方などを教えて回っている。

地元に貢献している事3

本社のある地域は、かなり田舎で、高齢者も多く、買い物をする店も少ない。

その為、移動販売を行い、地元の買い物難民を救うサービスを行っている。

 

今回のカンブリア宮殿の放送を見て思った事

業界としてはなかなか厳しいお豆腐屋さんの中で、いかにして生き残ってきたかという事に着目していましたが、やっている事は、特に変わった事では無く、商売やビジネスにおける正攻法を「愚直」にやり続けているんだなと感じました。

特に「変わった事」ではないにせよ、実際やるとしたら「簡単な事ではなく」、むしろ「大変な事(難しい事)」かもしれません。

また、「地元を大切にする」という事も、地元に根を張って商売をしていく会社であれば、「そうしなきゃ」と思っていても、ここまで実践できる会社も珍しいと思います。

「30年間売上が右肩上がり」という事も納得ですね。

 

以上【「おとうふ工房いしかわ」30年間売上げ右肩上りのお豆腐屋さんの軌跡】をご紹介しました。