金沢まいもん寿司の創業エピソードから学べる4つのマーケティング思考


こんにちは。Webloco代表兼Webマーケターのヤブです。

今回は、ビジネス番組「カンブリア宮殿」2022年11月24日の放送回で紹介された会社の創業エピソードが印象的でしたので簡単にご紹介します。

参考ソースはこちら「100円系では体験できない 高級路線の回転寿司チェーン

 

今回紹介する「金沢まいもん寿司」の概要

会社名:株式会社エムアンドケイ

代表者:代表取締役 木下 孝治

業種・業界:サービス・飲食業

事業内容:寿司店「金沢まいもん寿司など」の経営&レストランプランニング&コンサルティング

設立年月日:平成11年4月8日

売上高:54億円(2020年度実績)

 

金沢まいもん寿司創業の軌跡

創業者の会社創業前までの経歴

1951年に石川県・金沢市生まれる

25歳で一級建築士試験に合格

27歳で家業の工務店を継ぐ

 

回転寿司「金沢まいもん寿司」創業のきっかけ

40代の頃に地元金沢の異業種交流会に参加。

たまたま同じ席に居合わせた、回転ずしのレーンを作っている会社の社長から

「素人のあなたが回転寿司をやってみるのも面白いかもしれません」
「回転寿司はこれからますます伸びます」

と言われた。

これが切っ掛けで、42歳に回転寿司出店を決意。

 

回転寿司「金沢まいもん寿司」創業の為の初動

寿司激戦区の金沢で、寿司の素人がいきなり回転寿司店を出店するのはあまりにも無謀と考えた創業者は、海なし県の岐阜県・羽島市に目をつけ、プレハブ小屋を建設。

金沢市中央卸市場の仲買人に協力してもらい、穫れたての新鮮な魚を10tトラックで運んできてもらい、そこで、鮮魚店をオープン。

「いい魚をあつかう店が出来た」と評判になり地元の客が殺到して、大盛況となった。

 

回転寿司店のオープン

鮮魚店のオープンから半年して、店の隣に回転寿司店をオープン。

「良い魚を扱っている鮮魚店が運営している回転寿司なら美味しいに違いない」と客が集まり、たちまち繁盛店に。

この回転寿司店の成功で培った自信やノウハウを元に、1999年に、地元金沢に回転寿司をオープン。

その後、首都圏や海外にも出店する事に。

 

回転寿司店の創業エピソードから学べる事

「金沢まいもん寿司」創業までのエピソードを簡単にご紹介しましたが、皆さんはこのエピソードを読んでどういう印象を受けたでしょうか?

私はこのエピソードを聞いて、マーケティングの「神髄」が詰まっているなと思いました。

 

強みが活きる市場=勝てる戦場の設定

金沢は寿司激戦区で、「新鮮な魚」が食べられる寿司店は数多くあります。

その市場で、「新鮮な魚」はあまり差別化要因にはなりませんし、勝てる戦場ではありません。

そんな中、あまり「新鮮な魚」が流通していない市場(戦場)では、「新鮮な魚」とても大きな強みになります。

そこを戦場に選んだ目はすごいと思います。

 

鮮魚店からオープン=テストマーケティングの実施

回転寿司を出店しようと決意したのにも関わらず、最初から回転寿司ではなく、鮮魚店からオープンしたのには、いろいろな理由が考えられます。

番組では、そのあたりの事を詳しく話されていなかったですが、推測する理由としては、

  • 「初期コストを抑えたい」
  • 「回転寿司店の運営ノウハウが無い」
  • 「市場調査を行いたい」
  • 「その土地での知名度が無い」

などが考えられます。

最初に回転寿司店を開店するとなると、かなり大規模な初期投資が必要となります。本当にうまく行くか分からないのに、大規模な初期投資は大きなリスクとなります。

それを、プレハブ小屋の鮮魚店となると、かなり初期投資は抑えられ、仮に失敗しても、大きな損害にはならないでしょう。

そういう意味で、この市場(戦場)で、「新鮮な魚」というものが、どれだけ支持を得るか?どれだけ強みとなるか?という事を知る為のテストマーケティングという目的になったでしょう。

 

鮮魚店の隣にオープン=「信頼」「強み」の横展開

ビジネスにおいて、お客様から「信頼」を得るというのはとても大事な事ですが、それと同時に、難しく、時間もかかります。

創業者は、半年間という期間で、このお店は「新鮮な魚」を扱っているという「信頼」を築き上げ、同じ敷地内に、「信頼」「強み」が活きる業種、業態の店を開店させました。

まさにこれは、「信頼」「強み」の横展開です。仮に、鮮魚店から離れた土地でオープンしては、あまり鮮魚店の強みは活かせなかった事でしょう。

 

寿司の素人=常識にとらわれない&顧客目線

創業者は番組内で、「寿司を握った事がない」とおっしゃっていました。

また、『「自分が食べたい」「家族に食べさせたい」「ベストなものが何なのか」を考えている』ともおっしゃっていました。

もし創業者が、寿司職人上がりだとしたら、顧客目線ではなく、寿司を提供する寿司職人目線でサービスを考えてしまい、顧客が望んでいない独りよがりなサービスを提供していたかもしれません。

 

「金沢まいもん寿司の創業エピソードから学べる4つのマーケティング思考」のまとめ

今回は、金沢まいもん寿司の創業エピソードが、とても印象的で、マーケティングとしても学びがあるなと思ったので、ご紹介させていただきました。

このように、上手く行っているビジネスの要因を因数分解して、1つ1つ紐解いていくと、「成功の核は何なのか?」「自社のビジネスでは、何を参考にしたら上手く行くだろうか?」という事がなんとなく分かってきます。

大事なのは、成功しているビジネスの表面的な部分をマネるのではなく、その奥深くにある構造的な部分を探し出し、自社のビジネスとの共通点を導きだして、参考にするという部分だと思います。

以上「金沢まいもん寿司の創業エピソードから学べる4つのマーケティング思考」のご紹介でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。