皆さん、こんにちは。
リアルカスタマージャーニーの管理人兼マーケターの大藪です。
2023年10月5日(木)19:30〜21:00に「インサイトについて学ぼう 第3回マーケティングリサーチ勉強会」が開催されました。今回はその備忘録をご紹介します。
今回も前回に引き続き、セッション形式の勉強会で、Webコンサルティング協会に所属されている戦略デザインラボの梶田さんが約1時間程度、インサイトについてセッションしてくださいました。
なお、前回は、インサイトの概要や必要性についてセッションしていただきましたが、今回は、どのようにして、顧客のインサイトを調査するかにフォーカスを当てています。
セッションの概要(主な見出し)
- 前回のセッションの振り返り(復習)
- インサイトの方程式
- 価値からインサイトを見つける方法
特に印象に残った話のご紹介
インサイトの方程式
インサイトとは目に見えないですし、なかなか捉えずらい概念です。それを、とても分かり易くしたのが「FBIモデル」という考え方です。
「FBIモデル」の「FBI」とは、「FACT(真実・状況)」の「F」と「BIAS(思い込みや偏見など)」の「BI」を合わせたものです。
つまり、実際に起こっている事(真実や状況)は、それが正しいか正しくないかは置いといて、多くの人の思い込みや偏見、先入観によって成り立っているという考え方です。
そして、この「BIAS」を転覆させるものが「インサイト」になると定義しています。
具体例として
FACT(現状):定食屋は男性ばかり(少し前の前提)
BIAS(思い込み):定食屋は男性が行くところ。女性は複数人でおしゃれにランチしたい。
このBIASを転覆させる仮説:
本当は一人で定食屋に入りたいけど、見られるのは恥ずかしいのでは。
上記のインサイトに目を付けた某大手飲食店は、半地下や2階などに店舗を作ることで、女性客の獲得に成功しました。(そこそこ有名な話なので、分かる人は分かるかもしれません。)
インサイトを見つけ出すステップ
これまでの事より、インサイトを見つけ出すステップは以下の3つです。
1.FACTをあぶりだす。
2.FACTの元となっているBIASをリストアップする。
3.BIASを転覆させる仮説を立てる⇒この仮説がインサイト
価値からインサイトを見つける方法
このテーマでは、「マクドナルド」の失敗事例と成功事例を元にしたお話がとても面白かったです。
マクドナルドの失敗事例
マクドナルドの新メニュー開発のためマーケティングリサーチ(ユーザーインタビューやアンケート)を実施。
マーケティングリサーチを実施した時期は、健康志向ブームの真っただ中でした。このブームをとらえるべく、野菜などをふんだんに使った「サラダマック」というメニューを開発しました。
その結果、見事に大失敗に終わったのです。マクドナルドは、なぜ失敗したのでしょうか?
失敗した理由の1つは、ユーザーの言葉を鵜呑みにしてしまった事だと思います。
健康に気を使っているという意見から、「ヘルシー志向の人が多い」⇒「ヘルシー志向のメニューを作ろう」という短絡的な発想になった事が原因です。
確かに「ヘルシー志向のニーズ」は多かったと思いますが、それを「マクドナルドに求めていない」というのがユーザーの心理でしょう。
マクドナルドの成功事例
マクドナルドは、失敗から学び、新たなメニューを開発して、大成功をつかみました。それは何だと思いますか?
正解は「メガマック」という肉肉しい商品です。
まさに、失敗した「サラダマック」とは真逆の商品です。なぜ、この商品が多くのユーザーに受け入れられたのでしょうか?健康志向ブームが去ってしまったのでしょうか?
いいえ、むしろ、健康志向のユーザーは、サラダマックの時よりも増えているかもしれません。その理由は健康志向ユーザーの潜在ニーズ(インサイト)が鍵となっています。
メガマックに行きついたインサイト発見のプロセス
ユーザーの楽しみな事を探す:たまにご褒美として、死ぬほど焼き肉を食べる事。
その理由や背景を知る:ヘルシーな食生活でストレスが溜まるから、ストレスを発散したい。
無自覚な不満(インサイト)の仮説を立てる:たまには「食べ応えのあるハンバーガー」が食べたいのにない。
インサイトを満たすアイデアを考える:ビックマックよりももっと肉肉しいハンバーガー「メガマック」の提供。
このようにして、ユーザーのインサイトをうまくつかみ、ヒット商品を生み出したのでした。
これらの失敗事例から成功事例までのお話は、とても多くの気付きや学びがありました。
以上、「【インサイトについて学ぼう】第3回マーケティングリサーチ勉強会の備忘録」でした。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。