こんにちは。Webloco代表兼Webマーケターのヤブです。
今回は、私が読んだビジネス書「新しい市場のつくりかた」について、自身の復習(内容を整理)という目的も含めて、内容の紹介や考察を記載していきたいと思います。
Contents
この記事を閲覧する際の注意事項
この記事に記載した内容は、本書を読んだうえで、私の独断と偏見を元に解釈した内容です。
間違って解釈している事など、実際の著者が伝えたいことなどとは違っていることもありますのでご注意ください。
この本のターゲット
著者が考えるターゲットとは違うかもしれませんが、私が読んで感じた印象だと、以下の条件に該当する人がターゲットかなと感じました。
- 新商品や新サービスの企画・開発に携わる方
- 新しい事業を始めようと考えている経営者の方
- 大企業の新規事業の責任者
- 新しい技術はあるが、その技術をどのように活用したらよいか検討している方
- 新しい技術を使って、新しいサービスを考えようとしている方
この本は、ざっくりどんな内容か?
新しい市場を創造する為に何が必要か?どんな考え方が必要かを解説している本です。
新しい市場の創造に必ずしも新しい技術は必要ない
インターネットの様に、新しい技術の誕生で、新しい市場が創造されたケースもありますが、この本では、新しい市場の創造には、「新しい技術の開発」ではなく「新しい問題の開発」「新しい文化の開発」が必要だと述べています。
新しい問題の開発
「問題の開発」とは、「その状態を問題と設定する」事です。もう少し嚙み砕いて言うと「今までは、それが問題と思わなかったけど、その状態が問題であるとユーザーに理解してもらおう」という感じです。
あえて「発見」ではなく「開発」と表現しているのは、「問題は発見するもの」ではなく、「問題はあくまで自らの手で発明する対象なのだ」と訴えています。
新しい文化の開発
新しい市場の創造には、新しい文化の開発が必要です。
新しい文化の開発とは、「人のしあわせの価値観」をこれまでよりも多様で豊かにする行為です。要するに、「新たなしあわせのイメージ」を創造(開発)する事です。
しあわせのイメージを実現する商品やサービスの開発
しあわせのイメージを創造してたら、そのしあわせのイメージを満たす為の商品やサービスを開発します。
ただ、この段階では、ユーザーにヒアリングを行っても、なかなか的を得た答えは得られない為、自分自身が実験台となり、「粗探し」をする事でブラッシュアップする必要があります。
新しい文化を広める
「新たなしあわせのイメージ=新しい文化」を創造(開発)しても、それが1人だけなら、マーケットは小さすぎて、ビジネスになりません。
その為、その新しい文化を多くの人に広める必要があります。
エコシステムのデザイン
商品やサービスの価値は、外部環境によって大きく左右されます。
その為、商品やサービスだけでなく、それを取り囲む外部環境(エコシステム)も含めてデザインすることで、その商品やサービスの価値も向上させる事ができます。
具体的には以下のようなものが考えられます。
- 手に入りやすさ
- 維持しやすさ
- コミュニティ
- ステータス
- 社会的な好感度
優しい人が問題開発に向いている
何か不便な事や困っている事に出くわしても、「〇〇ってそういうもんだよね」「しょうがないよね」で済ませてしまう人は、問題の開発には向いていないかもしれません。
それよりも、一般的には「〇〇ってそういうもんかもしれない」けど、「何とか解決してあげられないか」と思える人は、問題開発者に向いている可能性があります。
要するに、他人の悩みを自分事のように悩める性格が、新しい問題開発の必要条件になります。
ビジョンファースト(イシューファースト)
「マーケットイン」や「プロダクトアウト」は、マーケティング業界では有名ですが、新しい市場の創造には、「ビジョンファースト(イシューファースト)」の考え方が必要です。
「ビジョンファースト(イシューファースト)」は、市場と対話をして、ユーザーニーズを満たすプロダクトを開発する「マーケットイン」とは真逆で、どちらかと言えば「プロダクトアウト」に近い考えですが、もっと上位の概念になると考えています。
要するに、「社会をこう変えたい」とか「暮らしをもっとこう良くしたい」というビジョンが最初にあり、それを基準に問題を設定して、その問題を解決する為のプロダクトを開発して、市場に提供するというプロセスが、著書が言う「新しい市場のつくりかた」の神髄である様に思います。
この本を読んだ感想とまとめ
この本は350ページ以上ありなかなかのボリュームです。
いろいろな事例や蘊蓄を紹介しているので、それだけのボリュームになっていますが、読んだ後、実際のページ数以上に感じました。
それは私個人の読解力やリーディング力の問題かもしれませんが、他のビジネス書などと比べて、読むのに時間がかかったからです。
それは、「専門用語」が沢山記述されていて、毎回意味を調べなければいけないといった事ではなく、なんとなく理解しずらいといった理由から、読むのに時間がかかりました。
「新しい市場のつくりかた」のハウツー本ではない
本のタイトル「新しい市場のつくりかた」から、タイトルの通りの具体的なノウハウが書いてある事を期待して読むと、少し肩透かしの様な感じがしました。
どちらかというと、著者の考える「新しい市場の作り方」はどういったものか?その背景や理由、その事象、それに付随する事例などを語っている著書の様な感じです。だから、読んでいる最中も、何か「もやもや」を感じていました。
ただ、本書の最後の方に、「私たちはしばしば、・・(略)・・、役に立つハウツーの知識を求めます。・・(略)・・」というメッセージが書かれています。
この文章からも、著者は、遠回しに、「この本は”ハウツー本”ではないから、正解などは書いていない。あなた次第です。」と言っているような気がしました。
それを見て、何となく腑に落ちた自分がいました。
以上『著書「新しい市場のつくりかた」の備忘録』をお送りしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。