高級チョコレート「ゴディバ」の売り上げを3倍にしたフランス人社長の戦略とは?


こんにちは。Webloco代表兼Webマーケターのヤブです。

2017年に発信した「『キットカット』の利益を5年で500%(5倍)にしたネスレジャパンの戦略とは?」に大きな反響がありまして、今回もそれに負けないように、ビジネス番組で気になったマーケティング戦略やビジネス戦略をご紹介します。

今回も「経営者」や「マーケティング担当者」必見の内容となっております。

 

今回紹介するテーマは高級チョコレート「ゴディバ」

さて、今回ご紹介するのは2020年1月30日に「カンブリア宮殿」で放送されていた「ゴディバ」の売り上げアップ戦略です。

この放送回は、私の中では、「神回」だと思っており、録画した番組を何度も見直しています。機会があれば、ぜひ皆さんにもご覧いただけたらと思います。

「ゴディバ」といえば、言わずと知れたベルギー生まれの高級チョコレートですね。

あるフランス人が、2010年にゴディバ ジャパンの社長に就任してから約10年で、「売上3倍(100億強から400億強に増加)」にしました。

その秘密を簡単に紹介しますと、大きく2つになります。

 

売上を3倍にした2つの秘密

秘密①日本独自の商品を開発

いわゆるローカライズというものです。

日本の食文化や食習慣などを調査して、日本人のニーズや好みに合いそうなオリジナルレシピ(商品)を開発。

 

秘密②高級感と親しみやすさの両立

コンビニに進出して、低価格帯(¥500以下)の商品を販売。また、ローソンなどとタッグを組み、オリジナル商品を販売。

ゴディバのチョコレートを気軽に体験してもらえる(ゴディバチョコを使ったのアイスやスイーツをイートインで食べらえる)店舗の展開。

 

この内容だけ見ると、「なんだ、そんな事か?」と思ってしまうかもしれません。もう少し話を掘り下げてみたいと思います。

 

経営やマーケティングに役立つ弓道の教え その1

ゴディバジャパンの社長「ジェローム・シュシャン氏」は、弓道5段の腕前で、弓道の教えが、経営にとても役に立っているそうです。

弓道の教え①「正射必中」

意味は、「正しい手順・動作でいられた矢は必ず的にあたる。」要するに、「正しいプロセスを踏めば、必ず結果は出る。」という事になります。

「ジェローム・シュシャン氏」は、この教えを店舗運営に当てはめて導入。

この場合、「的」を「売上アップ」に設定するならば、「正しいプロセス」は「おいしい店」「入りやすい店」「接客スキル」と設定しました。

 

具体的には、

  • チョコレートを販売している店舗は、高級感のある敷居の高い雰囲気から白基調の明るい雰囲気に変更。
  • 毎朝店内を徹底的に清掃
  • 年5回、プロを雇ったメークアップ教室を開催して、店員に高級ブランドらしい上品かつ親しみやすいメイクのレッスンを実施

 

正射正中

意味は、「『正しい姿勢』『正しい心』で的に向かう」

この教えをマネジメントに取り入れるにあたって、「ジェローム・シュシャン氏」はこの様に話しています。

「無理やり売ると、今の時代、お客様は、『もういい』となる。だから『売る』ではなく『売れる』の姿勢を持つ」

お客様が欲しているものを提供する事がビジネスの正しい姿勢であると述べています。

その為、客の声を吸い上げる仕組みを作り、それを新たな商品開発につなげているそうです。

 

経営やマーケティングに役立つ弓道の教え その2

番組内で、MCの「村上氏」が、こんな質問をしました。

「弓道家が書いたブログを読むと『的に当てようと思ってはいけない』と書いてある。的を狙わずにどうやって当てるんですか?」

この質問に対して、「ジェローム・シュシャン氏」は、以下の様に答えました。

「的を狙おうとすると気を取られる。そうすると緊張したり、形がおかしくなって当たらない」

一番邪魔するものは「我」

だから「的に気を取られない様に、正しい姿勢だけ集中するという意味です。」

 

「我」の排除=「無の心」が経営に役立つ

「村上氏」が、「なぜ無の心が経営に役立つのですか?」と質問しました。

その質問に対して、「ジェローム・シュシャン氏」は

「お客様の声を聞くときは、自分を忘れなければならない。」と発言しました。

お客様の声を聞くことだけに集中するには、「無の心」が必要であると。

 

印象に残った「ジェローム・シュシャン氏」の言葉

「売る事を一生懸命考えると、不自然なことがたくさん出でてくる」

「『いい商品、いい接客』を考えると、知らないうちに、自然とお客様が買いにくる」

「『売る』ではなく、『買いにくる』」

 

ビジネスの基本中の基本を愚直に

ビジネスに置いて、これらの事は基本中の基本かもしれませんが、頭では分かっていても、心(姿勢)は伴なっていなかったりする人が多いかもしれません。

もしくは、はなから「顧客満足の為」「社会貢献」ではなく、「自分が儲ける為」「自分の利益の為」を掲げている人には、とても勉強になる回だったと思います。

改めてフランス人社長に気づかされた一日でした。

 

以上「高級チョコレート「ゴディバ」の売り上げを3倍にしたフランス人社長の戦略とは?」のご紹介でした。