「データドリブンマーケティング・その1」成果をトラッキングする事の大切さについて


最近「データ・ドリブン・マーケティング」という本を読み始めて、Webマーケターとしてとても為になる内容が沢山書いてありましたので、その内容を数回に分けてご紹介したいと思います。

今回は第1回目なので、「データドリブンマーケティング」の概要及び、序盤の内容をご紹介いたします。

 

「データドリブンマーケティング」とは?

私が勉強不足だったと言われればそれまでですが、「データドリブンマーケティング」という言葉は、この本に出合うまで、まったく聞きなれない言葉でした。

まず、データドリブンマーケティングを簡単に表すと

「成果をトラッキングすること」

と本文では紹介しています。

これを、本文の内容をお借りして、もう少し具体的に説明するならば、

マーケティング活動の結果を測定し 、 そこから学んだことを次回以降の活動にフィードバックして、マーケティング活動を最適化させる

別の説明だと、分析やトリガーとなるイベントを活用することで、顧客ごとにカスタマイズされたオファーを提供するマーケティング手法のことである

という事になります。

前者と後者では、少し言いましが違いますが、実際に言いたい事は、

「効果測定」をせよ。そして、その結果を元に「PDCAを回せ。」

じゃないか?と解釈しています。

ここまではしょってしまうと、なんか当たり前だよねと言う感じに聞こえますが、この当たり前の事が出来ている企業は意外に少ないのでは。

この本では、文章中に何度も「成果をトラッキングせよ」と言う言葉が出てきていて、読者にその大切さを訴えています。

 

この本の第一章の内容について

さて、データドリブンマーケティングが何かはざっくりご理解いただけたかと思います。その上で、この本の第一章に掛かれていた内容を、ざっくりご紹介したいと思います。

※お断り。紹介する内容には、私の若干の偏見や主観が入っています。

「データドリブンマーケティング」が出来ている会社が少ない理由

本書では、いろんな会社からアンケートを取り、どれだけの会社が「データドリブンマーケティング」を実践しているかを数値で掲載しています。

そのデータによると、「データドリブンマーケティング」を実践している会社がかなり少ない事が分かります。

それと同時に、本書では、なぜ「データドリブンマーケティング」を実践している会社がこれほど少ないかという理由を紹介するとともに、どうやったら実践できるかという事を紹介しています。

「どうやったら実践できるか」と言う解説の部分が、この本の存在意義(価値)かと思います。

 

「データドリブンマーケティング」を実践できている会社はどんないいことが?

最初にデータドリブンマーケティングについて簡単にご紹介しましたが、実際、これが出来ている会社にどんな影響があるのでしょうか?

本書内では、下記の様な事を紹介していました。

データドリブンマーケティングを組織文化に根付かせることに成功した企業は、この組織能力を強力な武器としてライバル企業に業績で大きな差をつけている

マーケティングを きちんと測定することさえ出来る様になれば、それをコントロールすることも 効果を大きく改善することも 出来る様になる

 

マーケティング格差について

実際に業績が好調な会社と業績が不調な会社をリサーチして、上位と下位の間にどれだけマーケティング格差があるかが記載されていました。

当然ながら、マーケティングに費やす費用も、業績が好調な会社の方が下位に比べて多い事。そして、マーケティング費用の内訳の中でも、業績上位の企業は、将来への投資(カスタマーエンゲージメント、CRM)の割合が多い事が掛かれていました。

その逆に、業績があまりよくない会社は、安売りキャンペーンなどの目先の売上を作る為に多くの費用を費やしているという事を紹介していました。

本書に掲載されていたデータを見なくても、なんとなくそんな感じは受けますが、やっぱりデータで根拠をしめされると、説得力が違いますね。

 

いくつかの事例紹介

この本の良いところは、各セッションで、いくつもの事例を交えて紹介している事です。単なる机上の空論ではなく、しっかり実践で結果が出ている企業の事例紹介は、とても読みごたえがあります。

本書内で紹介されていた、ペルソナを設定したマーケティング事例を1つ紹介します。

ある地域での分析を通じて抽出された消費者セグメントを「 ジル」と名付けた。

「ジル」のイメージは家庭の運営を取り仕切る母親で、 ジルは家電の購入に関しても決定権を握る

数多くの「ジル」が存在する地域の店舗では 、彼女たち向けのマーケティング活動を行った。

具体的には 、デジタル機器を母親と 子供が一緒に使っている写真の店内 バナー での掲示、 ダイレクトメールそして ジルが好む商品の展開強化と行った政策が実行された。

対象店では、 マーケティング活動 実施後の 比較により 売上増加率が測定された。

ターゲットに「ジル」という名前を付けて、よりイメージしやすくした仮想ターゲットを設定して、そのターゲットが喜びそうな具体的な施策をして、本当に効果があったかをしっかり効果測定するところまで紹介しています。

 

第一章で印象に残ったメッセージ

第一章を読んだだけでも、数多くの印象に残る言葉がありました。既に、当記事でも紹介していますが、それ以外ですと、以下の様なメッセージがあります。

効果測定をしていくことで、どの活動が成果を生み、どれが 生まないかを明らかにし、効果的な活動に費用を集中して行く。この繰り返しがマーケティング全体として効果の改善をもたらす。

企業の持続可能な競争優位は 模倣困難な一連の活動によってもたらされる

一番印象に残ったメッセージは、やっぱり下記です。

企業の持続可能な競争優位は、模倣困難な一連の活動によってもたらされる

このメッセージは、ビジネスの原理・原則の様な気がします。

とは言え、「模倣困難な一連の活動」と言うもの事態が、分かってはいるけど実行するのが難しいのもまた事実ですね。

 

以上「データ・ドリブン・マーケティング」成果をトラッキングする事の大切さについてご紹介しました。