著書「アイデアのちから」の備忘録


こんにちは。Webloco代表兼Webマーケターのヤブです。

今回は最近私が読んだ「アイデアのちから」という本を、自身の復習(内容を整理)という目的も含めて、内容の紹介や考察を記載していきたいと思います。

 

この記事を閲覧する際の注意事項

この記事に記載した内容は、本書を読んだうえで、私の独断と偏見を元に解釈した内容です。

間違って解釈している事など、実際の著者が伝えたいことなどとは違っていることもありますのでご注意ください。

 

この本のターゲット

著者が考えるターゲットとは違うかもしれませんが、私が読んで感じた印象だと、以下の条件に該当する人がターゲットかなと感じました。

  • 企業で働くマーケターや広告プランナー、コピーライター
  • マーケティングコンサル会社の社員
  • 自社の商品やサービスを人の記憶に焼き付ける方法学びたい方

 

この本は、ざっくりどんな内容か?

人の記憶に焼きつける為に必要な6つ要素(アイデア)を紹介して、それぞれの要素を具体的に解説している本です。

人の記憶にやきつくとは?

本書では何度も「記憶にやきつく」という表現がされていますが、具体的には

「理解され、記憶に残り、持続的な影響をもつ」

という事と定義しています。

そして、最終的には

「相手の意見や行動を変える事だ」

と述べています。

 

人の記憶にやきつけるのに障害となるもの?

人の記憶にやきつける事は簡単ではありません。

それには多くの障害があるからです。その中でも、「知の呪縛」という障害がいくども本書内に登場しています。

知の呪縛とは?

「知の呪縛」とは、いったん何かを知ってしまったら、それを知らなかったことを、うまく想像できなくなることを言っています。

これは、人に物事を伝えるときの最大の障害になると言っています。

本書では、この呪縛と闘いながら、どのようにして、人の記憶にやきつけるのかを紹介しています。

 

人の記憶に焼きつけるための方法は?

本書では、「記憶に焼き付くアイデアの6原則」と称して、以下の6つのアイデアを紹介しています。

  • 単純明快である
  • 意外性がある
  • 具体的である
  • 信頼性がある
  • 感情に訴える
  • 物語性がある

上記の6つのアイデアを意識することで、自分の伝えたいことを、相手の記憶に焼きつけることが出来るという事を言っています。

 

6原則をもう少し具体的に紹介

上記で紹介した言葉は単純明快でとても分かり易いため、この言葉を聞いただけでも、仕事に役立てることはできますが、もう少し具体的に紹介していきます。

単純明快である

それは、「伝えたいことの核となる事を見極める。」事が大事です。

伝える情報量は多くなればなるほど、記憶に残らなくなります。

商品やサービスの特徴など、伝えたい事は沢山あるから、あれもこれもとなりがちですが、「本当に伝えたいことは何か?」というところを意識する必要があります。

つまり、伝えたいことの核となる事を簡潔に伝える事が必要です。

意外性がある

こちらの伝えたいことを聞いてもらうには、「関心を持ってもらう」必要があります。また、それと同時に「関心をつなぎとめる」必要があります。

マーケティングの世界では、これが実に難しい工程だと思います。

関心を持ってもらう

本書では、関心をつかむ最も基本的な方法は、「パターンを破る事」と紹介しています。

そして、この方法により、相手に「驚き」を与える事が出来、関心や、注意を払って聞いてくれるという事につながります。

関心をつなぎとめる

関心をつなぎとめる方法として、「謎」の威力・効果を紹介しています。

冒頭から「〇〇って何だと思いますか?」「〇〇っを知っていますか?」という、謎かけで始まる文章を使うことで、読者の関心をつなぎとめる事に効果があると言っています。

また本書では「隙間理論」について触れており、上記のテクニックも「隙間理論」の法則を元にしたものだと考えられます。

具体的である

このトピックは、説明不要なくらい分かり易いと思います。

本書では、このトピックについて、詳しく解説していますが、最も大事な部分は以下の部分です。

「単純明快である」や「意外性がある」は、やってみると難しく、かなりの努力を必要とするが、具体性を持たせることは難しくなく、努力もそえほど必要がない。

唯一の問題は、ついそのことを忘れてしまう事だ。

つまり、物事を伝える側は、「つい、専門用語などを使って、抽象的な表現をしてしまい、誰にでもわかるような具体的な表現をすることを忘れてしまう。」と言っています。

信頼性がある

記憶に焼きつけるには、その情報自体に信頼性がなくてはならない。

また、信頼性にはいくつかのタイプがあると言及しています。

権威による信頼性

1つ目は、単純に、権威(地位や名誉)の力です。この力を利用すれば情報に信頼性を持たせる事が出来ますが、それだと、一部の組織や団体、人物しか使えません。

内在的信頼性

外部の権威が得られない場合、メッセージ自体がメッセージ内容を保証する「内在的信頼性」が必要だと言っています。

難しい言葉ですが、嚙み砕いて言うと、メッセージ内容に、具体的かつ詳細な内容や、細部の鮮明な描写を与えることにより、メッセージの信頼性が向上するという事です。

具体的な地名や固有名詞を含めるのもそうですが、統計情報などの数値情報を含ませるのも信頼性向上のテクニックの1つです。

シナトラ・テストに合格

シナトラ・テストに合格するとは、それだけで、その分野全体で通用する信頼性を確立できることをいいます。

要は、ある種の事例紹介です。

仮に運よく、1社だけでも業界トップレベルの品質基準の会社に導入した事例が作れれば、それだけで、同じ業界ならうまく行ける可能性が高いという事です。

検証可能な信頼性

本書では、「ロナルド・レーガン」の有名な話「あなたの暮らしは4年前より良くなりましたか?」という問いかけを紹介して、分かり易く説明していました。

この言葉を投げかけられた聴衆は、自分自身が証人となる為、なかなか暮らしが良くならないと思っている人はとても刺さる言葉です。

感情に訴える

自己利益に訴える

よく売り手がやりがちですが、自社商品の機能や特徴にばかりフォーカスしたPRをしてしまいがちです。

でも本当は、ユーザーや顧客にとってのベネフィットにフォーカスして、伝えることが大切です。

大衆よりも個人に向けて

本書では、ある実験を紹介しながら解説しました。

実験とは、「ある国では、毎年〇〇万人の国民が飢餓に直面しています(簡略)」という内容と「とある国の少女Aは、極貧生活を送り、深刻な飢餓に脅かされています。(簡略)」という2つの内容の依頼状を用意。

被験者は、2種類の依頼状のうち、どちらか一方を手渡された後、寄付するかどうかを決めるという内容です。

結果は、少女Aの依頼状を受け取った被験者の方が、もう一方よりも平均2倍以上の寄付額になっていたという事です。

これより、「皆さんが良くなります」といよりも「あなたがよくなります。」というように、パーソナライズしたメッセージの方が、感情に訴えかけられる、効果が上がるという事が分かります。

物語性がある

本文の中に「適切な物語とは要するにシミュレーションである」という文脈があります。

要は、メッセージに物語性があると、読者は、実際に体験していないにせよ、一種のイメージトレーニング(シミュレーション)をしたことになり、記憶に定着しやすくなります。

また、物語といってもいろいろなジャンルがありますが、本書では「励ましとしての物語」にフォーカスしています。

励ましも、人の行動を促す効果があると言っています。

励ます物語 – 3種類の筋書き

さらに、励ます物語にも「挑戦」「絆」「創造性」の3種類の筋書きがあると言っています。

  • 「挑戦の筋書き」は、巨大な敵に勇敢に立ち向かう様な物語
  • 「絆の筋書き」は、他人を助けたり、助けられたりする様な物語
  • 「創造性の筋書き」は、革新的な技術や製品の開発の様な物語

物語は、相手の記憶に焼きつける効果と、行動を促す効果の2つがあり、積極的に利用したいテクニックですが、本当に効果的に使用するには、伝えたいメッセージの核となる内容を単純明快に物語として落とし込む必要があります。

 

著書「アイデアのちから」のまとめ

今回の記事では割愛しましたが、本書内では、さまざまな事例をもとに、それぞれのアイデアの活用方法を紹介していました。

「意外性」のアイデアに関しては、創造力が試される部分ですし、「信頼性」のアイデアに関しても、メッセージを伝える側だけでは難しい部分も多々あります。

ただ、それ以外の部分は、意識するだけでも、この本を読む前よりも、人の記憶にやきつくメッセージを作ることが可能になると思います。

後は、常に「知の呪縛」が付きまとう事を頭に入れつつ、試行錯誤あるのみです。

 

以上『著書「アイデアのちから」の備忘録』をお送りしました。

最後までお読みいただきありがとうございました。