「データドリブンマーケティング・その5」投資リターンを示せvol.2


最初の記事「データ・ドリブン・マーケティング・その1(成果をトラッキングする事の大切さ)」はこちら。

第5章「投資リターンを示せvol2」

だいたい1章につき1記事で終わらせようと思ったのですが、第5章が結構濃い内容で、1つの記事にまとめる事が無かったため、2つの記事に分けております。

「データドリブンマーケティング・その5」投資リターンを示せの前半は、下記記事をご覧ください。

「データドリブンマーケティング・その5」投資リターンを示せvol.1

 

内部収益率

内部収益率も財務にたずさわらない人には、あまり聞きなれない言葉です。

内部収益率= キャンペーン施策を実施する 場合の投資利回り

キャンペーンによって 企業内でお金が増幅していく度合いを表した率

この説明では、やはり分かりにくいかもしれません。

ちなみにROI(投資収益率)はよく聞く指標だと思います。

分かりやすく言いますと、内部収益率は、ROI(投資収益率)に時間の概念を加えたものになります。

「データドリブンマーケティング・その5」投資リターンを示せvol.1の「正味現在価値」の説明でもあるように、将来手に入るお金は現在手元にあるお金より価値が低いと言う事から、ROI(投資収益率)に時間の概念を取り入れた内部収益率を、重要指標として紹介しています。

内部収益率の求める方法は、正味現在価値の算出式を使い、正味現在価値がゼロになるような r を導き出すと 内部収益率の数値となると言う事です。

0 =-B0 +(B1-C1)/(1+r) + (B2-C2)/(1+r) 2乗 + ・・・(Bn+Cn)/(1+r) n乗

r = 内部収益率

ここで導き出された内部収益率の数値と ハードルレート(最低限必要とされる利回り)と呼ばれる 割引率R と比較して、上回っていれば、投資を実施すると言う経営判断が下されます。

 

投資回収期間

この指標は、比較的簡単にイメージが出来ると思います。

投資回収期間の算出は、利益の累計額を足し上げていき、利益の累計額がマイナスからプラスに変わる時期が分岐点となり、そこに至るまでにかかる日数が投資回収期間となります。

当然ながら、出来るだけ短い方が良いとされています。

投資回収期間=投じた累計支出と 同額の累計利益を 稼ぐまでにかかる時間

キャンペーンに費やしたのと同額のお金が 収入で帰ってくるのにかかる期間

 

感度分析で範囲の見える化

第5章では、最後に感度分析について紹介していました。

感度分析とは、インプットとなる前提条件の数値を変更した際に、アウトプットの数値がどれだけ変動するかを見るという分析手法です。

これをする事で、起こり得る結果の幅や範囲はどんなものかという事が見える化されます。

未来の数字は、可能性の幅・範囲で語る

経営陣にプレゼンをして、マーケティング・キャンペーンの予算を勝ち取ろうとしたとき、恐らくこれまで紹介してきた財務系指標、非財務系指標などを使って、説得する事になるでしょう。

この際、資料の未来の結果を表している数字は、あくまで仮定、仮説でしかありません。その為、とても不確実でリスクに溢れています。

これに対処するのが「感度分析」であり、「通常の予測はこうれくらいだが、最悪のパターンはこの辺りになりそうです。そして、もっともよい結果になった場合は、この辺りです。」と説明できます。

こうプレゼンした方が、経営陣への説得力も増し、予算を勝ち取る可能性が高くなるでしょう。

 

「投資リターンを示せ」のまとめ

財務系指標の話は、マーケターにはちょっと辛い事が多いですが、財務指標で語る事が出来れば、経営幹部の信頼や評価を勝ち得る可能性が高くなるのは言うまでもないと思います。

また、社内の経営幹部の説得だけじゃなく、顧客(外部)のステークホルダーを説得する為のスキルとして、これらの指標を上手にあやるれるマーケターは、より良い仕事を勝ち取る事が出来る事でしょう。

結局、経営陣が知りたいのは、

  • 「このマーケティングにはいくらかかるか?」
  • 「どれくらいのリターンがあるか?」
  • 「いつリターンがもたらされるか?」
  • 「いつまでにリターンが回収できるか?」

という事なので、その質問の答えれる様に準備しておく事が一番大切だと思います。

 

以上「「データドリブンマーケティング・その5」投資リターンを示せvol.2」のご紹介でした。